おカマの精神病患者

前述した、閉鎖病棟にやってきたおカマ爺さんはもう70過ぎのいいお年だろう。
背が低く、腹が出ていて、頭は禿げあがり、坊主にしている。
要するにチビ・デブ・ハゲである。
普段は入れ歯を外しているのか、アゴがつぶれてペチャンコになっているため、頭が大きく見え、赤ちゃんのようだ。
手も足も短いため、年寄りなのに赤ん坊のような幼稚な体型だった。
いつもタンクトップに短パン姿なので、幼い子供にも見える。
精神病患者の大柄なヒロシくん

ヒロシくん(仮名)という青年は、統合失調症を患っており、幾度もこの病院に入院している。
背丈は180センチを超え、体重も100キロを超える相撲取りのような体格だった。
その風貌から、当時横綱だった「アケボノ」というあだ名で呼ばれていた。
素直で良い子で、人に危害を加えるような性格では全くなかった。
おカマの精神病患者に付け狙われる

しかし、その素直な性格のせいで、おカマ爺さんに付け狙われることになる。
ヒロシくんは慢性的な糖尿病をかかえており、売店でのお菓子購入を制限されていた。
おカマ爺さんはそこを狙ったいた。
お菓子やジュースをヒロシくんに与え、気を引いた。
いつの間にか2人は肩をべったり寄せ、この暑いのに腕をくんで歩くようになっていた。
まるでカップルのようだった。
まわりの患者はドン引きしてその様子を眺めていた。
ヒロシ君は気が弱く、強引にされると断れなかったようだ。
おカマの精神病患者と2人で・・・・・・

廊下の奥に、洗濯ルームがある。
洗濯機や乾燥機が3つ、モップを洗う桶がある。
ドアは一応閉まるようになっている。
その部屋で、おカマ爺さんとヒロシくんが2人きりで何かをしていた・・・・・・という目撃情報が流れた。
そこは洗濯機と洗い場しかないため、洗濯物をセットして「洗う」ボタンを押して、とっとと部屋を出るものだ。そこからはすぐに立ち去り、長居をするところではない。
30~40分くらいで洗濯が終わるため、自分の洗濯が終わっているか見に来るくらいである。長時間、そこで何かを行う場所ではない。
そこでナニがをしていた、という目撃情報だ。怪しい。
おカマの精神病患者とベッドで・・・・・・

そして、おカマ爺さんはヒロシくんのベッドに上がり込み、カーテンをしめ、そこでもナニかをしていたという情報が流れた。
火のないところに煙はたたない。
とんでもなく怪しくなってきた。
喫煙所でヒロシくんを囲んで問うたところ、やはり怪しいことがあったという。
おカマ爺さんとヒロシくんはベッドに腰掛け、2人で話をしていた。
急に、いきなり、おカマ爺さんがヒロシくんの股に顔をちかづけ「シ〇〇らせて」と頼んできたという。ズボンの上からではあるが。
ヒロシくんは困り果てて、「それは困ります」と断ると、おカマ爺さんは「冗談よ~」と笑って言った。
笑ってはいたが、目は笑っていなかったという。
おカマ爺さんは、傷害で警察に逮捕され、広島刑務所に服務していたとのことだ。
刑務所の男ばかりのなかで生活しているうちに、ソチラに目覚めた、というか、そういうことなのだろうか・・・・・・