あらたな精神病患者が入院してきて独り言に困り果てた話(2-21)

あらたな精神病患者の独り言で耳をふさぐ アルコールの話
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あらたな精神病患者が入院してきた

あらたな精神病患者が入院して点滴
フリー素材ぱくたそより引用

あらたな精神病患者が入院してきた。

50代後半か、60過ぎているか、そんな感じだ。

彼の風貌がとても変わっていた。

真っ白な白髪頭は天然パーマで、黒のスーツの上着をはおり、青いジャージのズボンをはいているという奇妙キテレツな恰好だった。

ほぼアルコール依存症に間違いない。

長年の飲みすぎがで脳が委縮しているのか、認知症なのか、どちらも発症しているのか、とにかく独り言を言う。

独り言をいう患者は、夜がうるさくてとにかく困る。眠れたもんじゃない。

あらたな精神病患者はベートーベン、独り言がうるさい

あらたな精神病患者はベートーベン
フリー素材いらすとやより引用

その風貌、白髪の天然パーマが似ていることから、皆は彼のことを「ベートーベン」と呼んでいた。もちろん陰でだ。

彼はとにかく独り言がうるさかった。人がいようがいるまいが、誰かにむけて何かを喋り続けている。しかもロレツが回らなく、なにを言っているのがまったく聞き取れない。

言ってることも支離滅裂だ。

「ワシはもうれきこさじまわれのに、あの人がこんおあかいんけじゃいあけの・・・・・・」

ずーっとと独り言を言い続ける。

最悪なことに、ぼくのとなりの部屋に入った。

あらたな精神病患者はとにかく独り言がうるさい

あらたな精神病患者の独り言で耳をふさぐ
フリー素材いらすとやより引用

とにかく独り言がうるさくて困った。

晩ご飯が済んだ後、中間開放の患者はいっせいに保護室に戻される。部屋に入ったとたん、隣から独り言が聞こえてくる。しかも大きな声で、だ。

ワシはきれごにゃのじろうみなうけが、ワシのぎみのにゅえられませんがのごとく・・・・・・

もううるさい!

耳を手で塞いだが、まったく効果はなかった。

掛け布団にくるまったが、これも効果がなかった。

イライラしてきたため、彼の部屋のほうの壁を思いっきり殴りつけてみた。

ドンッ ドンッ ドンッ

独り言はやまない。

壁を思いっきり蹴りあげた。

ダンッ ダンッ ダンッ

まったく効果なく、ブツブツと独り言はやまない。どうやっても、鉄格子の空間を伝わって声が聞こえてくる。眠りたいのだが、声が気になってイライラして眠れない。

どんどんイライラがつのる。

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独り言に対抗して歌を歌ってみた

あらたな精神病患者の独り言に歌を歌う
フリー素材ぱくたそより引用

そうだ、何か歌をうたおう。

こちらも声を出せば、向こうの声が気にならないにハズだ。

イライラしながらも、声をふり絞って歌った。

「♪ふたりでぇー ドアをしぃーめぇーてぇー

 ふたりでぇー 名前けぇーしぃーてぇー

 そのときぃー こころは、なにかをぉー

 はぁーなぁーすぅー だろーおぉーぉー」

 (尾崎紀世彦「また逢う日まで」 作詞:阿久悠)

狭い保護室に声が反響して、カラオケのようで気持ちいい。

しばらく歌って、少しいらだちが静まった。

となりの独り言もいつのまにか止んでいた。

さあ、睡眠薬も飲んだし、寝てしまおう、と布団をかぶったとたん、となりから歌?のようなもの?が聞こえてきた。

「ふぅたぁりでぇぇ~ どぅあぉうぉしぃ~めえ~てえええ~

 ふぅたぁりでぇぇ~ なぁむぁえくぇ~しぃ~てええ~」

しまった。同じ歌を!

いかん、こりゃどうにも逆効果だったようだ・・・・・・